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詰め物・被せ物の耐用年数

虫歯治療によって、歯に装着された詰め物・被せ物をどれくらい使うことができるのでしょうか。結論から申し上げますと、 “2次的なトラブルがなければ半永久的に使用” できます。
この、2次的なトラブルとは詰め物・被せ物の隙間からの虫歯や、詰め物の破折などがあります。その結果、再治療が必要になり、場合によっては治療する範囲が大きくなります。では、統計学的にどの程度の持ちがありで2次的なトラブルが起きるかをお話しさせていただきます。

【保険適応内の詰め物・被せ物の耐用年数】

森田 学らJournal of Dental Health 45, 788~793, 1995.

これは、一般的に保険適応内で使用されている詰め物・被せ物の使用年数を調べた疫学調査の結果です。
少し古い研究報告ではありますが、コンポジットレジンで平均5.2年、メタルインレーで平均5.4年、メタルクラウンで平均7.1年と報告されています。再治療の原因の理由は様々ですが、破折・その他以外は全て虫歯が原因であることが多いです。つまり、再治療が必要になる原因の約8~9割は虫歯によるものとも言えます。

【セラミックの詰め物の耐用年数】

セラミックの詰め物の耐用年数を調査した大規模研究の研究結果では、セラミック全体(ポーセレン、ガラスセラミック)の生存率は、5年(5,811修復)で95%、10年(2,154修復)で91%と報告されています。この研究は、最終的に1997年~2013年の14の論文を選定、分析した非常に質が高い研究であり、その結果よりセラミック修復の生存率(寿命)は高いことが報告されています。

【セラミックの再治療の原因】

 研究報告から、セラミックは非常に持ちがよい治療といえますが、その中でも失敗(再治療)になる原因が最も多いのは、『破折・破損』です。セラミックには最低限の厚みが必要であり、また咬み合わせ、歯ぎしりや食いしばりなどにより破折・破損リスクは高まります。
治療前に、これらのリスクがどれくらいあるかは、術者による十分な診査が必要となります。

Morimoto S et al., J Dent Res 95 985-994 2016

【ゴールドの詰め物(ゴールドインレー)の耐用年数】

非常に長持ちする治療の1つに『ゴールド』が挙げられます。
1314本のゴールドの詰め物をした後、どの程度問題が使用できているかを評価した研究では、さまざまな期間での成功率は、1~9年以内で97%、10~19年で 90.3%、20~24年で 94.9%、25~29年で 98%、30~39年で 96.9%、40 年以上では 94.1% でした。全体の成功率は95.4%で、失敗率は、4.6%と報告されています。

Donovan T et al., J Esthet Restor dent 16 194-204 2004.

【まとめ】

虫歯の治療後に装着される詰め物には、保険内の詰め物、自由診療では主にセラミック、ゴールドなど様々あります。自由診療の詰め物は医療コストがかかりますが、再治療が少なく、歯の寿命が長くなる可能性が高いです。見た目だけではなく、お口の健康を考えて詰め物の選択をしていただければと思います。