お子様の乳歯が虫歯になっていないか心配ではありませんか？
乳歯の虫歯は痛みが出にくく、小さな子供であれば上手に痛みを伝えることが難しいため、気付いたときには重症化するケースも少なくありません。
では、乳歯はなぜ虫歯になりやすいかをご説明します。

【乳歯の特徴】

①エナメル質・象牙質が薄い
歯の表層は硬いエナメル質という構造で覆われています。そのエナメル質の次に象牙質という構造で歯の神経を覆っています。乳歯はそのエナメル質と象牙質が永久歯の半分ほどしかありません。歯を守るエナメル質・象牙質が薄いため、虫歯になると進行が早いです。
②水分や有機成分が多く、永久歯よりも柔らかい
乳歯は永久歯と比べて、水分有機成分が多いため、柔らかく、耐酸性が低いため、虫歯になりやすいです。
③歯髄腔（歯の神経が入っている部屋）が大きい
乳歯は、神経が大きいため、虫歯が進行した場合、神経まですぐに到達してしまいます。
そのため、虫歯が重症化することが多いです。
④乳歯の神経は痛みの閾値が高く、神経線維が少ない
乳歯は永久歯と比べて、痛みの閾値が高く、神経線維が少ないため、痛みを感じにくいです。そのため、虫歯が進行しても気づかないことが多く、重症化する可能性があります。

【乳歯の虫歯の予防策は？】

①間食としての甘味食品・飲料の摂取回数
幼児の健全な発育の観点から、1日2回程度の間食習慣はOKです。間食内容を工夫し、時間を決めて飲食する習慣をつけましょう。
また、甘味料のうち、むし歯誘発性の低い甘味料を選ぶことも重要です。
②授乳習慣・仕上げ磨きなどの改善
1歳6か月を過ぎての就寝時の授乳など、虫歯の原因となる授乳習慣を改善することや、毎日保護者が仕上げ磨きをする習慣の徹底なども重要です。また、併せて保護者が自らの早期治療や定期的な歯科健康診査の受診を心がけるなど保護者自身の歯科保健行動の向上も必要といわれています。
③フッ化物歯面塗布
フッ化物歯面塗布の回数に応じて、虫歯抑制効果の増加が認められるため、乳歯の萌出状況にあわせ、適宜塗布を受けることが推奨されています。
清田　義和 他　口腔衛生学会雑誌 47 307-312 1997

【まとめ】

乳歯は永久歯と性質が異なり、虫歯になりやすく、進行スピードも早いのが特徴です。乳歯の虫歯は、その後の永久歯のスペースが減ってしまい、歯並びに影響を与えたり、永久歯の形、色に影響がでることがあります。虫歯予防をしっかり行いお子様のお口の健康を守りましょう。お子様の将来のお口の中にご不安や、お悩みがある方はお気軽に当院にご相談ください。